文化財の修復工事の現場から、こんにちは!今回の石工事は重要文化財養源院中門です。階段の踏面部分の差石が年月が経つについて、外れてきたので、部分的に修繕を施しています。
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文化財に指定された建築物における工事は、すべて指定された方法のもとで行われます。上の写真は現場のようすです。中で2人の石工が作業しています。
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石を据え付ける前に、据え付ける部分の土を解します。26mmのドリルで斫りを行った後、スコップやシャベルで何度もかき混ぜ、解していきます。
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バケツには真砂土と既存の土が入っていました。使える土はそのまま使用します。土の中に、適量のセメントを入れているので、据えた石はきちんと固定されます。真砂土は目地入れに使用します。「真砂土だけだったら、すぐに目地がとれちゃうんじゃないですか?」と質問したところ、「文化財っていうのは、昔からの工法を使うから、そういうもんや。取れたらまた修繕するんや。」と教えてもらいました。
さて、差し石はどうやって据えるのでしょうか?こちらも前回ご紹介した乱貼りと同じく、図面があるものではないので、職人の感覚によって据えられていきます。石は既存石を使用しますが、取れて無くなった部分は、滋賀県の安曇川で採った石を使いました。
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据える作業が終わったら、底目地を入れ、水をかけていきます。少量のセメントが入っているので、水分を含ませることで、石のずれを防ぎます。乾いたら、真砂土を使って目地をいれていきます。
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こちらが出来上がりのようす。本現場での作業はあと数日続きます。完成が楽しみですね!
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