お墓選びのポイント

お墓を建てることは家と同じく、一生に一度の大きな買物。 亡くなられた方への想いやご先祖様への感謝・ご供養の念など、愛のこもった供養塔であるだけに…。 何代にも継がれる墓石だからこそ、安心できる墓石と、石材店をお選びいただく事が大切です。 墓石選びの安心できるポイントをご紹介いたします。


1.関西での墓石材は青御影石が主流

昔は加工のしやすさから、砂岩系の和泉石が多く使われていましたが、今では加工技術や機械の進歩により、硬質で耐久性の高い花崗岩の御影石(みかげいし)が良く使われています。 御影石は表面を研磨することで、鏡面のように美しく仕上がり、長年にわたり美しさが保たれます。 御影石には産地により白・赤・黒・桃・錆と各種ありますが、関西では青御影石が人気です。

2.御影石には国産と外国産があります

国産の御影石は、主に瀬戸内海沿岸地域で産出・加工されます。 香川県の庵治石(あじいし)・青木石(あおきいし)、愛媛県の大島石(おおしまいし)などが人気のブランド。国産は産出量が少なく、表面の傷などを避けて加工するため、より製品化数が少なくなります。 希少で手間もかかるため高価ですが、墓石材として使用され300年以上の実績があり、日本の風土になじみ安心感があります。今後も希少価値が高まるので、今が買い時という方も少なくありません。
一方、外国産の御影石は中国産が主流。中国産は国産と比べ安価ですが、墓石材の実績は20年ほどとが浅いため、気候変化の多い日本での耐久性は分かりかねます。 中国材は種類が多いですが、新しい石種ほど施工実績も少ないため、石材店が厳選した石を選ばれる方が安心です。
国産と外国産どちらにされるかは、お客様それぞれの価値観や基準によります。 私たちは、家族や大切な人をご供養されるお気持ちを第一に、ご安心のできるプランをご提案いたします。

3.必ず石材店の店頭で実物を見てお選びください

墓地で墓石の説明を受け、決めることは絶対避けて下さい。 風雨にさらされた墓石は日に焼けて石目や色味が無くなったり、逆に汚れや水分を吸い濃くなります。 微妙な違いは、店頭で他と比較して見てください。 特に銘石といわれる石は色目やきめの細かさも違い、ムラやキズもありません。 必ず石材店に飾られた実物を見て、お好みの石をお選び下さい。

4.お墓購入に必要な費用

①墓地がない場合は、墓地の永代使用料(墓地を使用する権利料)
 ※永代使用料は、墓地により様々です。
②墓地の境界を示す“巻石・外柵”の設置費用
 墓地によっては、不要なところもあります。既に墓地に巻石が設置してある場合は必要ありません。
 ※12万円(税別)~(施工費込み)
③お墓
 弊社のお墓の価格は、墓石本体価格に、字彫り代・施工費も含まれています。
 ※国産、国内加工の場合、105万円(税別)~
④石棺(納骨所)
 弊社の納骨所は、白御影石で組みます。※35,000円(税別)~
⑤付属品 大塔婆立(宗派によっては不要)、荷物台等
⑥化粧砂、ステンレス製小物(香立、花立中入、ロウソク立等)
⑦お墓が建ってから、開眼供養等、お寺様にお支払いするお布施

5.図面や見積など的確な資料でご検討下さい

家を建てる時に設計図と見積もりが必要なように、墓石の場合も必要です。通常は営業社員が現地調査をし、お客様のご希望を良く伺い、完成図面とお見積もりが提出されます。業者にまかせきりで、希望通りでなかったり、聖地内に収まらなかった、という失敗も防げます。

6.石材組合の加盟店や地域で実績がある店をお選び下さい

一度建てたら墓石は、代々まで続いて残るもの。地域に根付き何代にも渡って続けてきた石材店や、信用のある石材組合等に加盟している業者をお薦めいたします。京都で約300年つづいてきた弊社にお任せください。

墓所と墓石の構成

巻石(外柵)、墓石、納骨書の3つを基本に、その他各種不食品により墓所は構成されています。

【巻石・結界石】

巻石(まきいし)は、現世と来世(浄土)をわける結界の意味と、他の墓地との境界としての役割、そして地盤沈下や地崩れを防ぐ機能があります。形は大きく分け、地付きと舞台式があり、同じ舞台式でも和式と洋式により、デザインが異なります。

【墓石】

墓石は棹石(さおいし)の巾で、7寸から1尺まで大きさがあり、標準的な1聖地(900mm角)で8寸、4聖地以上になると9寸以上の墓を建てることが多いようです。一般的に墓石には、お性根が入るとされる棹石や、香炉・花立・供物台、お骨をいれる納骨所などがありますが、デザインは様々です。

納骨所(石棺)は、墓の下を石で四方囲みお骨を納める空間です。下台(墓石の一番下の石)の下にお納骨口があり、その前に供物台が置かれます。地域によって様々ですが、関西ではお骨が土に還りやすいように、石棺の底は塞がず新しい土を敷きます。

【大塔婆立】

塔婆を立てて、ご供養されるために必要です。宗派によっては不要な場合もあります。弊社ではステンレス製の大塔婆と石柱大塔婆をご用意しております。

【霊標】

 霊標(れいひょう)は、ご先祖様などすでにご納骨されている方のお戒名などを刻むものです。その他、俗名、没年月日、享年などを彫り入れます。先祖代々のお墓と共に建てられる場合も多いです。

【拝石】

拝石(はいせき)は、墓石の前に敷かれる石で、お参りの際に拝む方がその石の上に乗ってお参りするための石です。

お墓の種類

【京都型墓石】

下から下台・中台・棹石と重ねた「3段型の本磨き仕上げ」が一般的。 香呂や供物台に変化をつけ、京都型・大阪型・神戸型など地域に応じた形があります。 京都型は下台の上にのせた香呂が、三味線バチを逆さにした形で、香呂と供物台が別々なのが特徴。 供物台は納骨所の蓋でもあり、お骨は供物台の後ろから入ります。京都では青御影石が標準です。 国産の石材では、庵治石や大島石が昔から人気です。お墓の大きさは棹石の幅で決められます。 棹石の幅が8寸(24.24cm)を京都8型と呼び、京都市内では標準的な大きさです。 4聖地以上の墓地は、9寸型や10寸型が多く選ばれます。 弊社の場合は、雨水等がお墓の天端に残らないよう、水切り加工を標準仕様としています。※注)1寸=3.03cm×8寸=24.24cm

 

【五輪塔】

五輪塔(ごりんとう)は、日本独特のもので平安後期から出土されています。 元は密教系の信仰として建立されていたのが、墓標として宗派を超えて、宝篋印塔(ほうきょういんとう)ともに二大主流の一つとなりました。 五輪塔の形は、密教で考える宇宙の構成要素の五つの要素で組み合わされています。上から宝珠形の「空輪」、半月形の「風輪」、三角形の「火輪」、円形の「水輪」、方形の「地輪」を意味し、 故人を自然の五大元素に回帰させることを表す供養塔です。また、宇宙そのものの存在“大日如来”を象徴しています。 昔は武家が好んで建てており、 現在ではご先祖様の供養塔として家族墓と並べて建てられる方が多いです。 大きさは普通のお墓と同じく、8寸のお墓には8寸の五輪塔が建てられます。

【宝篋印塔】

宝篋印塔(ほうきょういんとう)は、もとは宝篋印しんじゅ経という「一切如来心秘密全身舎利宝篋印陀羅尼経」の写経を納めて塔からその名がつきました。 特に平安の中期頃、中国の呉越王銭弘淑がつくった八万四千塔にならい、簡略したものが石造になったと伝わっています。 鎌倉中期以降に密教系の塔として現れ、貴族が好んで建てたとも言われています。 独特な形で塔身の上の四隅に花びらのように立つ、隅飾突起が開いているほど近年の形といいます。 五輪塔とともに、昔から人気のある供養塔で、現在では法人の供養塔などに用いられています。

【多宝塔】

多宝塔は法華経に出てくるもので、お釈迦様が法華経を説法している時に、七宝塔(多宝塔)が現れ中にいた多宝如来がお釈迦様の教えに感じ入り、座っていた席を譲りともに並んで座った、という話から伝わっています。 多宝塔はお釈迦様と多宝如来を安置して礼拝するものとして、平安時代に密教系の塔として造られていました。 その後、“多宝如来は、お釈迦様が入滅後に法華経を実現する役割を持った仏さまである”という教えが広がり、墓石に転用するようになったようです。 塔身や傘の意匠性に自由度が高く、さまざまな形が見られ、京都を中心に各地に重要文化財として残されています。 現在でも高級感のある墓石として、好んで建てられる方がおられます。

【和洋墓】

縦文字が大きく使える仏式の和墓と、モダンな洋墓のフォルムを組み合わせた、弊社のオリジナル墓です。日本の景色に馴染む和墓の印象も残しながら、宗旨・宗派にとらわれない上品なデザインが魅力です。洋墓と同じように、青御影石以外に黒御影石、赤御影石、桃色の御影石などお選びいただけます。

【洋墓】

京都の寺院墓地では和墓が一般的ですが、霊園などでは横型の洋墓を建てられる方が増えています。 洋墓の場合は、青御影石以外に黒御影石、赤御影石、桃色の御影石と、さまざまの色の御影石が見受けられます。和洋墓同様に、宗旨・宗派にとらわれずお墓を建てたい方に好まれます。文字の彫り入れも一般的な「○○家之墓」といれずに、想いやメッセージ、お花などの絵を彫られる方もおられます。

【プレート型】

 

ブランド墓石材

京都をはじめ関西における墓石は、古くより瀬戸内海の庵治、大島、北木石などが銘石として好まれてきました。その他、関東や九州からも良質な墓石材として選りすぐった石種をご提案します。

【庵治石(あじいし)】細目石(香川県産/青御影石)

歴史が古い石で、平安時代後期から採石・加工され、京都でも使われてきました。 産地は香川県高松市。風雪に耐える堅い石質、優美な光沢と色、きめの細かさが特徴です。「花崗岩のダイヤ」とも称され、世界でも高く評価されています。最も石目の細かい、細目(こめ)は青味を帯びた石目に鱗状のかすかな文様が浮かび、最高級品の銘石です。

【庵治石(あじいし)】中目石(香川県産/青御影石)

同じく庵治石の中目(ちゅうめ)は、黒い斑点が散りばめられているのが特徴で、こちらも高級墓石材。細目とはまた異なる上品さがあり女性に人気の石材です。

【大島石(おおしまいし)】(愛媛県産/青御影石)

大島石は、瀬戸内海の大島で採石されます。 昔は一部の人が知る銘石でしたが、技術進歩により採石量が増え、高級墓石材として全国に知られるようになりました。 青く細やかな石目が特徴の大島石は、青磁の肌を思わせる気品から「石の貴婦人」と呼ばれています。 石の堅さ吸水率の低さは、国産の花崗岩の中でも優れ、百年品質の名に相応しい石です。

【青木石(あおきいし)】(香川県産/青御影石)

青木石の産地は瀬戸内海、塩飽諸島二十八の中で最も大きい広島です。採石の歴史が長く、大阪城を築城した時に使用したのが始まりで、墓石・記念碑・石像・建築石材と幅広く活用されています。特徴はおちついた優しい石目で、石目には黒口と白口があり、墓石は黒口が人気です。 国産石の中では比較的安価で、幅広くご愛用いただいています。

【北木石(きたぎいし)】(岡山県産/白御影石)

北木石は、笠岡市の北木島から採石されます。大阪城の石垣、靖国神社の大鳥居、天皇陵での鳥居など、古くから使用されている石材です。石色は、白と錆の2種類で墓石では白色が使われています。 中でも特に白いものは、白水晶と称されています。経年に伴う風合いの良い錆が出てくるのが特徴です。

【万成石(まんなりいし】(岡山県産/桜御影石)

優しく淡い桃色の御影石。硬質で吸水率が低く、大正時代より大型施設の壁や床材の建築石材として多く使われてきました。華やかで美しい色合いがモニュメントにも好まれ、イサムノグチをはじめ多くの芸術家に愛されてきました。 また多くの著名人のお墓にも使われています。特に濃くて鮮やかな桃色の石は「竜王石」と呼ばれています。

【内垣石(うちがきいし)】(福岡県/青御影石)

青みが強く、美しい艶を帯びる九州を代表する銘石です。同じ九州産の天山石と比べても、石目が細かく、青みが濃いのに、上品さを感じさせます。吸水率も低く、堅牢な石質が特徴で墓石材として優れています。採掘量が少なく、九州で使用されることが多かったことから、関西では「幻の銘石」と呼ばれたこともある高級墓石材です。

【天山石(てんざんいし)】(佐賀県産/青御影石)

九州を代表する国産墓石材です。石の堅さや、吸水率が低いことから、経年変化が少ないと言われます。紫色がかった濃く深い青味がかった色味が特徴で、長年変色しにくく、艶もちも良い重厚感のある銘石です。

【真壁石(まかべいし)】(茨城県産/青御影石)

茨城県産の真壁石は、関東を中心に墓石・建築石材・石造美術など古くから幅広く多く使用されてきました。変色の少ない良質な石種で、関東地方では主流の銘石となっています。細目は青みのあるグレーに近い色味で、均一な模様がみられるのが特徴。中目は白みがかったグレーで、細目と比べると全体に白色が印象的です。