石仏の分類法

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大野寺弥勒磨崖仏

石仏の分類の仕方は、石仏がどのような状態や場所で造られたかによって、大きく二つに分けられます。一つは、石仏が自然の岩肌を活かし彫刻されたタイプ。崖に彫られた磨崖仏や石窟に彫られた石窟仏などです。もう一つは自然から切り出した石を加工し、据えたタイプ。舟形のお地蔵さんや観音さんの立像など、独立型の石仏です。磨崖仏と言えば大分県の「臼枡磨崖仏」が知られていますが、京都周辺では笠置寺虚空蔵石磨崖仏や大野寺弥勒磨崖仏が有名です。いずれも奈良と京都の境に在って、近くには当尾の小さな磨崖仏群なども見られます。

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半肉彫り

石仏の分類にはもう一つ、彫刻技法で分ける方法もあります。石の表面に仏の形や文字を彫り込んだり、線彫りするのを“陰刻”と言い、逆に石から像が浮くように彫るのを“陽刻”と呼びます。この陽刻はさらに、彫る厚みで「薄肉彫り」「半肉彫り」「厚肉彫り」に分けられますが、実際はそれらの技法を組合せ彫られることが少なくありません。例えば舟形千手観音像では、様々な持物を握った手を舟形の表面に「薄肉彫り」で彫り、観音様本体は、肩の裏側まで彫る「厚肉彫り」で造られます。さらにこれらの技法を発展させたのが「丸彫り」です。丸彫りは観音様の背中も全て見れる、一個物の彫り方ですが、鎌倉時代から多く造られるようになったようです。

石仏の種類

京都, 石屋, 石材店, 石彫刻,石仏, 創作, 特注品, 伝統, 老舗, 芳村石材店京都を含め野外で良く見かける石仏としては、釈迦如来、大日如来、阿弥陀如来、薬師如来、観音菩薩、地蔵菩薩、弥勒菩薩、不動明王などです。その中でも観音さんは、聖観音、千手、馬頭、十一面などの変化観音さんがおられ、またお地蔵さまも、六地蔵や水子・子安地蔵など、種類が多く造られています。

一般的に仏像は、如来部(5種)、菩薩部(16種)、明王部(8種)、天部(15種)と多種多様あって、木像仏の場合は、その全てにわたり見られますが、石仏は良く造られる仏像の種類が限定しているようです。その理由を「石屋」なりに推察しますと‥木像仏は各宗派のご本尊や眷属(けんぞく)を、豪華で荘厳な寺院の中心におき、衆生を救済するという“仏の威光をもって”奉られているのに対し、石仏は庶民に身近な野外にいて、救済されたいという庶民の“仏への願望をもって”造られることが多かったからではないかと、思います。

京都, 石屋, 石材店, 石彫刻,石仏, 創作, 特注品, 伝統, 老舗, 芳村石材店特に鎌倉初期に末法思想が広まり浄土教が高まったり、多くの仏教宗派が誕生し、今までは貴族や豪族のための仏教だったのが、より民衆へと浸透化すると、多くの人々から現世の不安から逃れるための“願望”が噴出したと思われます。例えば“阿弥陀様の極楽浄土に往生して成仏したい”とか、“もし極楽浄土に行けず、地獄に落ちたらお地蔵様に守って欲しい”など、階級社会の中で自力ではどうにもならない現実を救ってくれる「救済のスーパーヒーロー」とも言える仏様たちに人気が集中し、身近な石仏になったのではないでしょうか。

お釈迦様、大日様、阿弥陀様は、各宗派のご本尊でもありますが、観音様、お地蔵様と同じに、京都では、今でも広く親しまれている仏様ばかりです。町の辻々にお地蔵さんがいて、私の会社の庭には大日さんが奉られています。お釈迦様の花祭りや地蔵盆などの行事もまだ残り、観音様への巡礼も人気です。古く石仏になった仏様は、野外に居てもいつまでも強く丈夫なため、長い信仰対象として里に残り、やがて土着の習慣や行事の中に浸透し、風景の一部となっていったのではないか?だから石仏の種類の少なさは、民間信仰として根強い人気の仏様だけが造られ続けた、結果ではないか?と思うのですが‥

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